かるたの基本の「き」~段位と級編~
競技かるたには、個人の実力のレベルを表すために、段位や級が用いられています。人気漫画『ちはやふる』の中にも、「A級」「B級」などの級を表す言葉がありますよね。今回は、このことについて説明します。
まず、段位と級の意味についてです。次のような意味をイメージしてもらえれば十分だと思います。
段位とは、「競技かるたをする人の実力を表す数字」を意味します。選手個人のレベルだと思ってください。初段から十段まで存在していますが、実力で取れるのは、八段までとなっております。
一方で級とは、ある決まった段位を持っている選手が出れる大会のレベルのことをいいます。ここで指す「大会」とは、全日本かるた協会が公認している大会のことを指します。日本各地で公認大会は開催されており、愛媛県でも毎年3月20日頃の春分の日に行われています。
他にも様々な場所で開催されておりますので、下の全日本かるた協会のHPで確認してみてください。開催予定の大会や大会結果が掲載されております。
愛媛県から比較的参加しやすい大会としては、5月にある広島大会、9月にある香川大会、10月~11月にある岡山大会があります。
次に、段位と級の関係についてです。A~E級まである級と初段~八段(十段)まである段位は以下な関係になっています。
A級ー四段以上
B級ー三段
C級ー二段
D級ー初段
E級ー無段
初めて公認大会に参加する場合は、段位を所持しておりませんのでE級からになります(都市部等ではF級~が存在することもありますが、四国内ではありません)。段位や級を上げたい場合は基本的に、公認大会で一定以上の結果を残すことが必要になります。目安となるものとして、下の表を参考にしてください。
余談ですが、最高級であるA級になるためには、いくつもの大会を勝ち上がることが必要になってきます。私は、中学3年生から競技かるたを始めて6年目に地元の松山大会でA級に昇級しました。B級からA級に上がるには、優勝か準優勝2回という厳しい決まりがあります。同じ級で出場する人がおよそ50人程度、多い時では100人を超える中で優勝となると難しいものです。1対1のトーナメント戦なので、優勝するためには6,7試合勝ち抜く必要があります。朝9時から始まり、優勝が決まるのが午後9時を過ぎることも…本当に過酷だったなあと懐かしく思います。
ただでさえA級に上がるのは難しいのに、地方では都市部に比べて出場できる大会も限られてしまっているため、なかなか「四国でA級誕生!」ということが難しいです。が、一つ一つ目標に向かって頑張ってほしいです。
少し暗めの話(?)はこれくらいにしておいて、段位を取得すると免許状が発行されます。後輩の免許状を拝借してきました。公認大会に勝ち、段位を申請すると次のようなものがもらえます(お金はかかります…)。
写真で見るよりも本物の方がかっこいい感じがします。私自身も目指している「五段」の免許状はやはりかっこいいです。以前は、B4サイズほどの免許状だけでした。次のようなものです。私が高校2年生の時に取得したものです。
大会で勝ち、段位を取得ための段位料もついでに紹介しておきます。
段位 段位料
初段 一万円
弐段 一万円
参段 一万円
四段 一万五千円
五段 二万円
六段 三万円
決して安い金額ではないのですが、これを取得しないと次のレベルの大会に出場できないので、何とも言い難いところです…
以上が、段位と級についての紹介です。高津かるたクラブの子達もいつかは段位を目指して頑張ってほしいなとは思いますが、今は目の前のかるたを思いっきり楽しんで強くなってほしいなと思います。「こういう制度があるんだな」程度に理解していただければ幸いです。